29 Jul
29Jul

自分は比較的シンプルな生活を送っていると思う。とは言うものの最近は仕事がますます忙しくなってきた。そういうわけで(どういうわけ?)今回、思い切って久しぶりの戸外制作に行ってきた。

よく人は「忙しいから(~できない)」と口にする。でも本当に忙しいのは0.1%の人であって、こういうフレーズを口にする人の大半、おそらく99.9%は忙しくないと思う。こうしたフレーズは、実行しないことの意識的あるいは無意識的な口実なのだ。できれば、こうした99.9%にはなりたくないものだ。

さて日曜日。僕は油絵具と折り畳み式イーゼルを持って、ほぼ1年ぶりの戸外制作に出かけた。場所はNY州ホワイトプレーンズのブロンクスリバー遊歩道。

少し暑い日だった。でも木陰に入ればそれほどでもなく、当然イーゼルも木陰に設置した(写真は突然現れた小さな訪問者)。これは2年前、夏の南仏で自分が会得した技術の一つである。以来、真夏の戸外制作も苦にならなくなった。

自分の戸外制作は公園や遊歩道が多い。制作スポットとしては、人通りの少ない所を選ぶようにしている。描いている最中に邪魔されるのが嫌だからだ。それでも不思議なことに、2~3時間ほどの制作中、いつもほぼ1人(あるいは1組)の通りがかりの人間が足を止め、僕に声をかけてくる。1人未満でも、2人以上でもなく、決まって1人(あるいは1組)。不思議だ。今回も1組の若い黒人のカップルが声をかけてきた(彼ら以外に声をかけてきた人はいない)。こんな時はけなす人はまずいないので、普通は褒めてくれるのだが、今回の黒人の女性は少しだけ違った。

「ワオ。これいいわね。売るつもりなの?」

「売れたらうれしいけど、これは習作だから」

彼女はお世辞ではなく、本心から言ってくれたようだ(口調や声の出し方でだいたいわかる)。ちょっとうれしかった。もう15年以上続けている水彩画とは違い、油絵はまだまだ修行中。まあ、楽しんでやっています。


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