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人類が暗い洞窟を捨てて以来、「家」は人々に厳しい環境から身を護り、快適に過ごす場を提供してきた。そうした機能に着目すれば、家は世界中どこでも、グリーンランドやアフリカでも、同じと言える。けれどもその外観は地域によって異なり、たとえ同じ国の中でも違ったりする。それは家が環境に対する適応だけでなく、人々の生活や文化を映しているからに他ならない。

自分にとって「民家を描く」という行為は、そこに住む(または住んでいた)人や家族を描く行為でもある。同様に「商業ビルを描く」という行為は、そこで働く(働いていた)人々を描く行為。分類すれば「風景画」ということになるのだけれど、風景を描いている感覚はない。なぜなら、自分が描いているのは建築物という形を借りた人々の肖像画だと思うから。そこで僕はそれらを「家景画(housescape painting)」と呼ぶことにした。

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このウエブサイトでは、自分の心がアタッチした場所の家景画を紹介しています。それは実家の青梅だったり、アーティストとして大きな転換点をもたらしたポーキプシー(米国)だったり、レジデンシーでひと夏を過ごした南仏だったりします。楽しんでいただければ幸いです。